自分に合っている仕事って、何だろう?就職を目指す中、実際に働く中、ふと足を止めて考えることがあります。私たちは知らず知らずのうちに、まだ見ぬ“自分に合っている仕事”を、歩みの先にあるはずだと信じて、歩き続けているのかもしれません。“自分に合った仕事”は、この道の先に本当に待ってくれているのでしょうか。新卒で就職した後、原因不明の体調不良で退職をされた相談者さんが、当事業所での作業体験を振り返り、このようにお話されていました。「やっぱり、体を動かすのが好きなんだなって、改めて思いました」仕事には、外側から見たイメージがつきものです。そして、時としてそのイメージは、私たちから仕事を遠ざけてしまいます。“きっとキツイ仕事に違いない”“ケガをするかもしれないから危険だ”そういった言葉が、仕事の中身から私たちの目をそらせてしまいます。仕事に対する負のイメージにがんじがらめになると、就職に対して足がすくんで動けなくなります。それは自分の身を守るための自然なこころの動きです。そこから一歩、いや半歩でも、自分の目指す未来、“こうなりたい”と思う未来に近づくためには、仕事についての自分のイメージ、構え、考え、価値観と改めて向かい合い、強すぎるイメージから解き放たれることが求められます。前述の相談者さんは、前職までの自分の思いや価値観を振り返りながら、まずは体を動かす作業体験を行うことになりました。作業体験を通じて、仕事に対して自分がとらわれていたイメージから距離をとり、自分の実際の経験に耳を傾けることで、「やっぱり、体を動かすのが好きなんだなって、改めて思いました」という言葉が湧き出てきたようです。人それぞれに合う仕事は異なります。そして、“自分に合う仕事”は、実際の自らの経験の内に、そっと自分自身に語りかけているようです。それが現在の仕事なのか、これから選ぶ仕事なのか、自分の体からの言葉に耳を傾けると、思いがけない発見があるかもしれません。