「本当は、事務の仕事に興味があったんだなって気が付きました」自分の気持ちに目を向けられるようになってきたのは、心療内科に通い体とこころの不調と付き合いながら、真面目に自身の将来を心配してきた二十代の女性でした。 過去のアルバイト経験から、「自分には事務の仕事は向かない」と仕事の選択肢から外されてきましたが、あいち福祉振興会の就労準備支援事業で行っている軽作業やボランティア、そしてパソコン教室と徐々にプログラムへの参加が増えていく中で、ふとご自身の気付きが深まっていく瞬間にお伺いした言葉です。その気付きの前にも、さまざまなことに気を遣って、もやもやと思い悩むことについて話し合っていましたが、自分のこころの声に耳を傾けて「まあいいか」と上手に受け流すことができるようになってきていました。 「今なら、前よりは事務の仕事のトラウマを考えられると思います」そう言って、事務の仕事全体を怖いものだと思っていたけれど、データを入力する仕事や、お客さん対応をする仕事、物品請求をする仕事と分けて考えると、お客さん対応や電話対応にトラウマを感じてきたが、その他の入力の仕事は「好き」なものだったと、ご自身の気付きが続きました。 「焦りすぎはよくないけれど、やりたいことが見えて、もやもやしていたことが小さくなりました。ありがとうございます」と、私にまで気を遣ってくれましたが、その言葉はぜひご自身に向けて伝えてあげてくだい。課題であったもやもやを上手に使って、ご自身で切り開いたのですから。