8月19日(金)のHatch Meets 第4回ミートアップにおいて、当法人で実証実験中の腕時計型IoT機器「ResQ(レスキュー)Band」と健康管理AI「ResQ AI」(開発:株式会社アドダイス 本社:東京都台東区)を活用した「未病AI」の実用化に向けた実証実験の中間報告を行いました。現状報告まず当法人代表理事の中島より、本プロジェクトの現状をご報告させていただきました。就労支援施設の利用者さまは、ひきこもりであったり、心身の不調を抱えていたりするため、何らかの服薬を続けている方も多くいらっしゃいます。服薬により睡眠に影響が出ている方もみえるため、どんな生活リズムが適しているのか、どんな人間関係ならスムーズに就労でき社会に適合していけるのか、といった大きな課題があります。例えば、仕事A、仕事Bそれぞれに就いたとき、Aで就労しているときの方がストレススコアが低いなら、Aの方がその人に適しているのではないか、あるいは対人関係のストレスなども分かれば、よりその人の希望に沿った就労環境の提供が可能になると考えています。また、スタッフがそれぞれの経験・知識に基づき主観的に行っている支援も数値化されたデータを見ながら、翌日以降の仕事のパフォーマンスが下がらないように事前に面談を行ったり、就職時に生活リズムを整えたり、仕事とのマッチングや上司との関係・相性などを観える化することで、障害者雇用が世の中に進んでいくのではないかと思っています。データに基づく利用者さまの支援を研究している最中です。中間報告中島の発表後、アドダイス代表取締役CEO伊東様より、プロジェクトの中間報告をしていただきました。◆課題の確認◆心身の調子を崩して働けなくなっている方の就労支援にあたり、心身の状態が周りの人から見えないこと。利用者の支援を、スタッフの主観的な印象に頼っていること。これらの課題に対し、スマートウォッチを活用したクラウドAIで解析してリスクを学習・解析、スコア化して心身の状態を観える化するという仕組みを応用することで解決し、よりよい就労支援に繋げようという取り組みです。◆サービスの目的・期待◆ResQ Bandは、スマートウォッチを活用したサービスです。スマートフォンに対応アプリをインストールし、装着者のバイタルデータをクラウドに自動で共有します。これを心身の重症度、重症化リスクをAIに学習させ、集まったデータをAIでリアルタイム解析して客観的な数値として示します。見守っている周りの人から装着者の心身の状態が見えれば、例えば、ストレススコアが低い作業に切り替えるといった判断が的確にできるようになるのではないかと期待しています。将来的には他の会社に就労された場合にも、ご自身が「今の仕事はストレスが多いんだな」とか、「自分に合っているんだな」と判断できるような形にして、自立を支援するということができればいいなという期待を持って取り組んでいます。◆伊東様より◆コロナ禍で健康意識が高まり、「未病」という病気になる手前の状態で留められないかというニーズが出てきています。一度病気になってしまうと、完全に健康に戻るのが難しい場合もあります。装着者が未病の状態で引き返せるよう、自分では気づいていない(あるいは上手く表現できない)不調もAIが代わりに見守り、事前に気づく仕組みの普及に取り組んでいます。AIが未病を教えてくれることで、客観的データに基づいた支援を行えるようになる利用者さん自身が体調変化を掴めるようになる 利用者さんとスタッフのコミュニケーションがスムーズになるスタッフも仕事がしやすくなる、働きやすくなるなどの効果を期待できます。今回の取り組みは、就労支援施設で社会復帰を目指す、「誰かの役に立ちたい」「社会の役に立ちたい」「仕事をしたい」という人をAIで支援することです。社会の一員として働ける環境と健康長寿を実現することにつながると確信しています。その後、プロジェクトの進捗と今後の流れをご報告いただき、今回の中間報告は終了となりました。アドダイス様は今回の社会実証で、「未病AI」でよりスムーズな就労支援を実現し、心に障害を持つ方が社会の一員として働く喜びを得られるお手伝いをしたいと考えていらっしゃるそうです。あいち福祉振興会は、「未病AI」の精度向上にむけて引き続き実証実験に協力してまいります。以上◆関連情報◆本件に関するアドダイス社の記事<開催報告>心身状態の「観える化」でより良い就労支援を目指して!「未病AI」社会実証、中間報告 8/19金・名古屋ハッチミーツ第4回ミートアップ◆本件に関するお問い合わせ◆あいち福祉振興会 広報 担当:中島(ナカシマ)、水野TEL:052-684-5888